平成23年度全国母子世帯等調査結果報告によると、母子家庭になった時の末の子どもの年齢は、1位0~2歳(34.2%)、2位3~5歳(20.4%)、3位6~8歳(11.8%)となっています。
なぜ、子供が小さくて育てるのも大変な時期に、離婚する夫婦が多いのでしょうか?
産後離婚を防ぐには、夫婦で話し合うことが最も大切。なぜなら、夫婦と言えど、男性と女性では考え方、物の捉え方が違い、話し合わなければ理解することが難しいから。
産後離婚に至ってしまう理由は何なのか?一緒に考えてみましょう。
目次
産後離婚はなぜ起こる?
産後離婚の原因
産後、女性の体は変わります。初めての妊娠、子育て、赤ちゃんがお腹に宿ってからおおきなお腹になり、出産、育児と体にも生活環境にも大きく変化があります。
女性にとっては、自分の体のことなので変化に伴い順応できるのですが、男性は、自分の体のことではないので、実際のところ、女性ほど出産、育児が理解できません。
これらの、男女のギャップが夫婦のすれ違いを起こし、離婚に至るケースがあります。
産後の症状がきっかけとなり、夫婦仲に影響を及ぼすものは次の3つ。これらの症状は、夫に理解がないと、離婚に発展する可能性も。
産後うつ
産後、訳もなく涙が出たり、気分の浮き沈みが激しく、無気力になったりします。過去にうつ病になったことがある人はかかりやすいとも言われています。
このような症状が発症するのは、産後、大きく生活環境が変わることによるストレスや、女性ホルモンのバランスの乱れにより、脳内物質セロトニンが減少するためです。
1ヶ月以上症状が続く場合は、専門医の受診をお勧めします。
産後ブルーズ
産後うつと症状はよく似ていて、訳もなく涙がでたり、不安になったりしますが、産後うつと決定的に違うのは、約2週間ほどで症状がおさまること。
産後ブルーズの原因も、産後のホルモンバランスの乱れによるもの。もちろん、人によって個人差はありますが、時間の経過と共に解決することも。
産後クライシス
産後の夫婦仲が危機を迎えることを意味する造語。産後の女性はホルモンバランスの乱れにより、イライラしたり、攻撃性が増します。中には夫を受け付けなくなる人も、、、
産後の生活環境の変化や、育児のストレス、夫の育児協力が得られないなどの要因が重なり、夫婦仲が悪化する状態。
より詳しくは、次の記事でお伝えしています。
これらがきっかけとなり、夫婦のコミュニケーションが不足することで、離婚へと発展するのでしょう。
逆に、これらのことがきっかけとなり、夫婦のコミュニケーションを見直した結果、夫婦の信頼関係がより強くなるということも大いにありえます。
産後離婚、どうしたら防げる?
夫婦でとことん話し合う
産後、特に女性は生活環境がガラリと変わります。それに加え、慣れない育児によるストレスや睡眠不足など、精神的にも体力的にもキツイ時期でもあります。
そんな中で夫の理解が得られないとなれば、どうでしょうか?
うまくいくはず、ないですよね?
だから、夫婦のコミュニケーションが重要。子育てにどんな風に参加して欲しいのか、産後の女性がどんな状態に陥るのか、男性にはわからないので、伝えていくことが必要。
夫が育児に対して理解が少ないのは、ある意味仕方のないこと。なぜかというと、男性は体の構造上、出産を経験したことがないし、産後の女性に対して無力だからです。
男性は、出産を経験できないため、産後の女性の状態がわかりません。だから、悪気もなく産後の女性にとって、傷つく言葉を発したりします。
産後の女性はホルモンのバランスが乱れることで、イライラしやすい状態です。そんな時に、子供が生まれても夫の生活環境は変わらない、ということが普通に起こるのです。
妻は子育てで大変なのに、夫は相変わらず付き合いと言って飲み会に参加したり、休みの日はゆっくり一人時間を満喫、、、なんて、子供がいなければなんでもないことでも、子育て中のママにはイライラの原因になってしまいます。
何も言わなければ、現実にそういう状況は起こります。その度にイライラが募って、最終的に我慢の限界が、、、
なんてことにならないように、産後の女性の状態や、やって欲しいことははっきりと伝えることが大事。
ひとり時間の確保
育児で疲れている女性にとって、ひとりの時間はとても大切。少しの時間でも、子育てから離れることでリフレッシュできて、まだがんばろう!という気持ちになれるからです。
ちょっとした息抜きの買い物や、ゆっくりお風呂に浸かるだけでも、癒されます。夫にお願いして、子供を見てもらうことで、夫と子供だけの時間を作るきっかけにもなりますね。
夫婦や家族の時間は大切。でも、大切な人との時間を有意義に過ごすためには、ひとりの時間も大切。
夫婦で話し合って、ひとり時間をお互いが楽しめるようになれるのが理想。
お互いを思いやる気持ち
産後離婚を防ぐには、何と言ってもお互いを思いうやる気持ちが重要。私も離婚経験者だからわかりますが、離婚となると、よほどの円満離婚でない限りは、自分を守ることで精一杯に。
やってもらえなかったことや、不満しかでてこなくなります。お互いが攻め合う、そんな状態にまでなってしまったら、修復は不可能。
そうなる前に、夫婦でとことん話し合うべき。そして、相手の立場に立って、夫が、妻が、何を考えているのか、何を望んでいるのか理解しようとすること。そうすれば、離婚は回避できます。
産後うつ、産後ブルー、産後クライシスを理由に離婚は認められる?
産後うつ、産後ブルーズ、産後クライシス、これらの産後に起こる症状を理由に、離婚することは可能でしょうか?
答えはNO
ただし、これらがきっかけとなり、不利益をが生じた場合、離婚の理由になります。例えば、不貞行為、モラハラ、DVなど。
- 浮気
- お金の問題
- 精神的に追い込まれる状況
産後の症状がきっかけとなり、このような問題に発展した場合、離婚する理由として認められる可能性はあります。
産後離婚、子供はどちらが育てる?
親権と監護権
産後離婚でどちらが子供を引き取るかで揉めることがあります。きちんと話し合いができたり、夫に育てる意思がなければ問題ありませんが、どちらも自分が育てたいと思った場合、どのように考えればいいのでしょうか?
ご存知ない方も多いと思いますが、実は、親権を持っていなければ子供を育てられないと思いがちですが、そうではありません。
親権を持っていなくても、子供を育てる権利「養育権」というものがあります。
親権で争った場合、監護権をとれば、子供と一緒に過ごすことができます。10歳未満の子供がいる場合、よほどの理由がない限りは、親権、監護権共に母親が選ばれることが多いです。
養育費と慰謝料
養育費は、子供に与えられた権利です。子供が成長していくために必要な権利ですから、もらうのが当然。
ですが、これがなかなか払えない人が多いのも現実。長く受け取るためには、相手の収入に応じた無理な金額設定をしないこと。
慰謝料は、精神的なダメージが生じた場合に、それを金額に換算するものです。
慰謝料とは、精神的被害に対する損害賠償のことを言います。
ですが、あまり多くはもらえないと言われています。そして、精神的なダメージを与えられたという証拠が必要。
例えば、浮気だったら、確実に浮気をしている証拠ですね。証拠を探すために逆にお金がかかってしまうことも。
産後離婚する前に考えてほしいこと
産後は慣れない生活や、育児でストレスに見まわれやすい状況に。新しい家族が増える半面、親になることへの不安やプレッシャーに負けてしまいそうになることも。
そんな状態では正しい判断はできません。そして、産後、イライラしてパパに当たってしまったりするのは、ある意味仕方のないことです。
なぜなら、おっぱいが出ている間は、幸せホルモンのエストロゲンが減少するためイライラしやすいから。
そうなった時にパパを嫌い、離婚したいとまで思ったとしても、それは一時的な感情にすぎません。
授乳が終わり、生理が再開する頃にはホルモンバランスも整い、気分も落ち着きます。その時、離婚したことを後悔しても遅いのです。
ですから、感情的になって離婚を決断してはいけません。
離婚後の生活について、考えたことはありますか?生活費にいくらお金がかかるか、子供の将来の学費はいくら必要か、そのためにどうやってお金を稼ぐのか?
あなたが思うほど、一人で子供を育てるのは簡単ではありません。
早まって離婚を決断すれば、子供が小さい間はどうにかなりますが、本格的にお金がかかり始める中学生くらいになると、経済的な負担がつきまといます。
先のことまで考え抜いて、それでも一人でやれる覚悟があるかどうか、一度立ち止まって考えてみることが必要。
その上で、あなたと子供にとって何が一番大切かを考えること。もしかしたら、離婚せずともやり直すことができるかもしれない、もしかしたら、今じゃないのかもしれない、子供が成長してから、改めて考えることもできるかもしれない。
産後離婚を考える場合は、とにかく、一時の感情で決断しないことです。
まとめ
産後、女性の体は変わります。生活環境や、ホルモンバランスの乱れにより、産後うつ、産後ブルーズ、産後クライシスを引き起こすことも。
夫婦といえど、男女では脳の働きが違い、思考や行動に差が生まれるため、お互いをもっと深く知ることが大切。コミュニケーションがうまく取れないと、離婚に発展する可能性も。逆に、これらをきっかけに夫婦の絆が深まることもあります。
もし、どうしても離婚を選択しなければいけない場合は、先のことまで考えて計画を立てること。
ただし、産後の一時的な感情に任せて離婚を決断することはおすすめできません。家族にとって何が一番大切なのか、よく考えた上で、これから先のことを考えましょう。
今日も最後までおつきあいいただきありがとうございます。